ロシア版「戦狼外交」の主導権を握る「クレムリン強硬派」の面々
2021年5月11日

5月2日、モスクワのロシア正教会でイースターの礼拝に臨むプーチン大統領。だがその心境は「復活」ではなく「永久執権」(C)EPA=時事
ロシアのプーチン政権がこのところ、内外政策でますます強硬路線を強めている。反体制活動家、アレクセイ・ナワリヌイ氏の組織を「過激組織」に認定し、活動を全面禁止する見通しだ。また、ウクライナ国境沿いに一時11万の大軍を展開し、ウクライナ侵攻の構えをみせた。欧米諸国とは、不毛の外交官追放合戦を繰り返している。
5月5日の主要7カ国(G7)外相共同声明は、
「ロシアの無責任で不安定な行動のネガティブなパターンが続いていることを深く懸念している」
と言及した。
従来のプーチン政権は、内政、外交でハードとソフトを組み合わせる「ハイブリッド戦略」がみられたが、近年はハードだけが目立つ。背景に、クレムリンで強硬派グループが主導権を掌握したことも観測されている。
ナワリヌイとアルカイダは同列
ジョー・バイデン米大統領がウラジーミル・プーチン露大統領を「殺し屋」呼ばわりした3月中旬以降、ロシア軍はウクライナ国境とクリミアに兵力を増強したが、同時に国内でウクライナ人の過激派狩りも行われた。ロシア治安機関は3月中旬、ボロネジやタンボフで、ウクライナのネオ・ナチ組織のメンバー14人を拘束した。
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