ロシア版「戦狼外交」の主導権を握る「クレムリン強硬派」の面々

執筆者:名越健郎 2021年5月11日
エリア: ヨーロッパ
5月2日、モスクワのロシア正教会でイースターの礼拝に臨むプーチン大統領。だがその心境は「復活」ではなく「永久執権」(C)EPA=時事
対欧米強硬路線を突き進むロシア。その裏には、永久執権を狙うプーチン大統領を担ぐ、クレムリンに巣食う元KGBなどの強硬派の存在があるのだ。

 ロシアのプーチン政権がこのところ、内外政策でますます強硬路線を強めている。反体制活動家、アレクセイ・ナワリヌイ氏の組織を「過激組織」に認定し、活動を全面禁止する見通しだ。また、ウクライナ国境沿いに一時11万の大軍を展開し、ウクライナ侵攻の構えをみせた。欧米諸国とは、不毛の外交官追放合戦を繰り返している。

 5月5日の主要7カ国(G7)外相共同声明は、

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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