麻生「自沈」を傍観する国会の「うわの空」審議 一月三十一日午前、東京・中野の「中野サンプラザ」で開かれた全国郵便局長会の集会で壇上に立った民主党の小沢一郎代表は早期解散の見通しを力強く語った。「どんなに遅くても、平成二十一年度予算が通過した三月には解散、そして四月には総選挙というのは間違いない既定の事実だ」 会場の郵便局関係者は神妙に聞いていたが、同席した政治家たちは「また、小沢さんの早期解散説が始まった」とあきれた表情だった。 その日の午後、盛岡市の「ホテルメトロポリタン盛岡」で開かれた民主党岩手県連定期大会でも、小沢氏は「予算成立の時点においては、もはや解散総選挙以外に政府・自民党としても選択肢はない」と力説。さらに、ホテル内での記者会見でも同じ主張を繰り返した。 小沢氏が執拗に三度も「三月解散説」を断定的に語ったちょうどその日、麻生太郎首相はスイスで開催中の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席して、各国からの出席者に向かって得意げな表情で、こう発言していた。「私自身も、環境、経済、エネルギーを総合的にとらえ科学的な分析に基づき、六月までに温室効果ガス削減のための中期目標を発表する考えだ」

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