「10大原則」は、金正日(右)が金日成(左)の後継者の地位を確立した後、さらなる権力闘争のために作成された、という (C)AFP=時事

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総秘書(総書記)が権力を握ってから10年目になる。2代目の金正日(キム・ジョンイル)の死亡時には「世襲政治の終焉」「崩壊間近」などと希望的観測を唱えていた北朝鮮問題のプロたちは、今でもマスコミや論壇で「活躍」している。そればかりか事あるごとに「崩壊説」「異変説」を吹聴している。これは初代の金日成(キム・イルソン)死亡時と同じパターンの繰り返しだ。

 北朝鮮は経済が逼迫していると言うのに何故、「崩壊」もせずに「反乱」も起きないのだろうか? あんなに貧しいのに核兵器やICBM(大陸間弾道ミサイル)を作れるのは何故か? 社会主義を標榜しているくせに3代に至る王朝のごとき世襲を人々はどのように考えているのだろうか? 疑問は深くなるばかりで、人々へ何らかの答えを与える分析や報道は稀でモヤモヤ感を増長させているだけである。

 北朝鮮の情報伝達には大きく2通りある。1つは北朝鮮当局の対応や報道、米韓情報機関や研究所の発表や分析。もう1つは脱北者の証言本や様々なルートを通じた内部情報の記事などだ。

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