5月15日にボゴタで行われた反政府デモ(C)AFP=時事

 

 コロンビアでは、政府が議会に提出した税制改革法案に労組、市民団体、学生などが反発し、全国ストが打たれた4月28日以降、大規模の反政府デモが首都ボゴタのみならず主要各都市で続いている。

 新型コロナウイルス感染症拡大の第3波に襲われるコロンビアでは、外出禁止など厳しい行動規制が敷かれている。にもかかわらず、現地の報道では、5月13日時点で、170カ所で集会やデモが断続的・波状的に行われ、閉鎖された幹線道路は80本に上るという。

 生活物資の供給を含め市民生活や経済活動に影響が及んでおり、任期1年を残した右派のイバン・ドゥケ政権は窮地に立たされている。

 平和裏の街頭行動として始まった抗議デモだが、一部で銀行や商店、公共交通のバスレーン(トランスミレニオ)、警察施設などへの破壊と攻撃が繰り返され、各地で混乱が拡大した。

 抗議デモの高まりを受けて、ドゥケ大統領は5月2日に同法案の撤回を発表し、責任者のアルベルト・カラスキジャ財務大臣が辞任したが、反政府デモは収まる気配を見せない。むしろ政府が、「組織暴力の関与」を理由に軍を導入して鎮圧にあたった対応が、さらに反政府デモを誘発する状況だ。

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