6月18日に投票のイランの大統領選挙の立候補が締め切られた

主要な立候補者は、エブラーヒーム・ライースィー(ライシ)司法長官と、アリー・ラーリジャーニー前国会議長の二人と目されている。いずれも保守派と目される。

イラン大統領選挙の仕組みと機能

イランの大統領任期は4年で連続2期しかできない。なぜかアメリカ大統領と同様で、米国の選挙の翌年にイランの選挙が行われる。米国を「大悪魔」と敵視ししたイスラーム革命体制ならでは、あたかも米国を付け狙い、米国の出方を見てから自らの政権を選んでいるかのようである。

膨大な数の泡沫候補が立候補登録を行うのもこれまで通りである。これをイスラーム法学者が半数を占める「監督者評議会」が協議して選別し、実際の投票の対象となる候補を認証する。この時点で体制に挑戦する可能性がある候補者は排除されるため、実際には自由で公平な選挙制度とは言えない。イスラーム革命の理念に合致するか否か、現体制の権力に反抗しないかという、特定の価値判断や政治判断の下で限定的に行われる選挙である。

監督者評議会の12名のメンバーのうち、イスラーム法学者6名は最高指導者によって指名される。残りの6名は世俗法学者から司法長官が指名し、議会が任命する。しかし司法長官は最高指導者によって任命される。現在の司法長官はイスラーム法学者のライースィー師である。つまり、監督者評議会の12名は、結局のところ、最高指導者がイスラーム法学者の有力者と共に選ぶのである。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。