【ワシントン発】バイデン政権を動かす「シンクタンク人脈」詳細解説

執筆者:ブルース・ストークス(Bruce Stokes)2021年5月25日
米大統領選への出馬表明を経て、ブルッキングス研究所でスピーチするヒラリー・クリントン氏(2015年)。 ワシントンでは人材確保こそ政策だ   ©︎AFP=時事

   ワシントンに、4年に一度の「春の祭典」がやってきた。桜まつりと同じく恒例だが、在ワシントンの進歩派あるいは中道左派のシンクタンク出身の人物たちが、新しく発足したバイデン政権でポストに就きはじめているのだ。

   トランプ政権時代、光が当たらない場で彼らがあたためてきた妙案を用いて今後4年から8年のアメリカの外交、経済政策の方針を定め、実行していくだろう。

   バイデン大統領の就任100日間をみれば、その影響力はすでに証明されていて、おもに内政で非常に進歩的な政策が立て続けに打ち出されている。

   彼らがシンクタンクで積み重ねてきたことによって、バイデン政権の対中国政策や対外関与、貿易といった日本に影響を与えるあらゆる問題の方向性も決まる。

“殿堂入り”の「ピーターソン国際経済研究所」

   ワシントンD.C.に拠点をおくシンクタンクは148あり、世界のどの都市よりも多い。米ペンシルベニア大学が今年1月に発表した「2020世界シンクタンク報告」によると、たとえば外交分野でトップ10のうち5つがそのなかに入る。また国際経済分野では、2位の「ブルッキングス研究所」のほか、2016年から4年連続で首位になり“殿堂入り”した「ピーターソン国際経済研究所」もワシントンにある。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。