スーツの左胸につけられた「肖像徽章」。たかがバッジというなかれ。丁重にあつかわなければならないのだ (C)AFP=時事

「党の唯一的領導体系確立の10大原則」(以下「10大原則」)の中で、「絶対化」というキーワードで知られているのが第3条である。

3.偉大なる金日成同志と金正日同志の権威、党の権威を絶対化し、決死擁衛しなければならない。

 さらに金日成(キム・イルソン)・金正日(キム・ジョンイル)という先代2人の権威と党(金正恩=キム・ジョンウン=朝鮮労働党総秘書[総書記])の権威を絶対化して決死擁衛することが至上の要求で革命的意志であるとし、以下6項目にわたって「絶対化」の意味と、遵守すべきことが詳細に記されている。

 それらを要約すると、(1)先代たちと金正恩以外は何人も知らないという観点と立場を堅持、(2)先代たちと金正恩の権威と偉大性を擁護、宣伝、(3)権威を毀損する要素を非常事件化して闘争、(4)首領の映像、作品等を丁重に扱い保衛、(5)革命史跡地、跡碑、博物館、史跡館等を丁重に造成、管理、保衛、(6)首領たちの訪問地を立派に造成、領導業績を輝かせるための事業を展開せよ――となる。

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