【北朝鮮社会の「思考」を読み解く】
北朝鮮社会を規制する「党の唯一的領導体系確立の10大原則」とは(3)「絶対化」

執筆者:呉小元 2021年5月31日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
スーツの左胸につけられた「肖像徽章」。たかがバッジというなかれ。丁重にあつかわなければならないのだ (C)AFP=時事
朝鮮半島の歴史に登場したいかなる名君・英雄よりも、「金王朝」は絶対的な存在である――これを「10大原則」の中でどのように定義づけ、人民に押しつけたのか。

「党の唯一的領導体系確立の10大原則」(以下「10大原則」)の中で、「絶対化」というキーワードで知られているのが第3条である。

3.偉大なる金日成同志と金正日同志の権威、党の権威を絶対化し、決死擁衛しなければならない。

 さらに金日成(キム・イルソン)・金正日(キム・ジョンイル)という先代2人の権威と党(金正恩=キム・ジョンウン=朝鮮労働党総秘書[総書記])の権威を絶対化して決死擁衛することが至上の要求で革命的意志であるとし、以下6項目にわたって「絶対化」の意味と、遵守すべきことが詳細に記されている。

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カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
呉小元(オソウォン) 64歳の男性で、元朝鮮労働党幹部。日本で生まれ、10代で北朝鮮に帰国した。平壌の大学卒業後、労働党傘下の貿易会社で働いた後、韓国に対する工作活動をしていた1990年代、韓国に亡命。現在は会社役員を経て定年退職。仮名。著書に『ハダカの北朝鮮』(新潮新書)。月刊誌『ファクタ』等に寄稿多数。
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