【北朝鮮社会の「思考」を読み解く】
北朝鮮社会を規制する「党の唯一的領導体系確立の10大原則」とは(4)「信条化」「無条件性」「統一・団結」

執筆者:呉小元 2021年6月7日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
「10大原則」の徹底で、同窓会すらあり得ない子供たちは、やがて「党中央」に尽くす大人へとなっていく (C)AFP=時事
宗教性を強め、愚民化政策を推し進めるための基本方針ともいえる「10大原則」。その4条から6条までを詳細に読み解くと――。

「党の唯一的領導体系確立の10大原則」(以下「10大原則」)の第4条は、「信条化」というキーワードで要約される。

「原理主義」のように「教理」を説く

4.偉大なる金日成同志と金正日同志の革命思想と、その具現である党の路線と政策で徹底的に武装しなければならない。

 条文では、先代たちの革命思想や党の路線・政策で思想武装することが重要で、偉業達成の為の先決条件だとし、以下項目で具体的に(1)先代たちの思想・主義の信念化(2)それらを事業と生活の指針、信条化(3)先代たちの労作、文献、革命歴史を研究体得(4)政治学習、集団学習に参加、学習を生活化、習性化、怠慢・妨害に闘争(5)党の文献伝達浸透体系構築、適時に正確に伝達、歪曲と独自解釈禁止(6)すべて活動に先代たちの教示と党の文献引用(7)党の方針・指示と個別指示を厳格に区別、個別指示の組織的な伝達や集団討議禁止(8)革命思想、路線、政策を誹謗中傷、反対する行為と反党的、反革命的思想潮流に徹底的に闘争――と列挙している。

カテゴリ: 社会 政治
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執筆者プロフィール
呉小元 64歳の男性で、元朝鮮労働党幹部。日本で生まれ、10代で北朝鮮に帰国した。平壌の大学卒業後、労働党傘下の貿易会社で働いた後、韓国に対する工作活動をしていた1990年代、韓国に亡命。現在は会社役員を経て定年退職。仮名。著書に『ハダカの北朝鮮』(新潮新書)。月刊誌『ファクタ』等に寄稿多数。
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