【北朝鮮社会の「思考」を読み解く】
北朝鮮社会を規制する「党の唯一的領導体系確立の10大原則」とは(6・了)「唯一領導」「後継」

執筆者:呉小元 2021年6月21日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
北朝鮮の社会構造の骨格となっている「10大原則」をよく知ることこそ、問題解決の糸口を見つける最善の方法だ[KCNA VIA KNS](C)AFP=時事
結局行きつくところは、「民族第一主義」と「金王朝の維持発展」――長年にわたり北朝鮮人民を縛り洗脳し続けた「10大原則」を充分に知り尽くすことが、政府やメディアの見当違いを正すことになる。

「党の唯一的領導体系確立の10大原則」(以下「10大原則」)第9条は、「唯一領導」で知られる条文である。

9.党の唯一領導のもとに、全党、全国家、全軍が1つになって動く、強固な組織規律を築かなければならない。

 以下条項で具体的に、

(1)唯一的領導のもとに全党・全国・全軍が1つになって動く、厳格な体系を構築

(2)全てを唯一領導のもとに組織を進行。政策的な問題は党中央(金正恩=キム・ジョンウン=)の結論に拠ってのみ処理する秩序と規律を構築

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カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
呉小元(オソウォン) 64歳の男性で、元朝鮮労働党幹部。日本で生まれ、10代で北朝鮮に帰国した。平壌の大学卒業後、労働党傘下の貿易会社で働いた後、韓国に対する工作活動をしていた1990年代、韓国に亡命。現在は会社役員を経て定年退職。仮名。著書に『ハダカの北朝鮮』(新潮新書)。月刊誌『ファクタ』等に寄稿多数。
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