明かされたイスラエル「モサド新長官D」の正体

PERSONALS(人事情報)

執筆者:山田敏弘2021年6月2日
モサドの歴代長官(モサドHPより)

 

  ここ最近、イスラエルのモサド(イスラエル諜報特務庁)は、派手に作戦の成果をアピールしてきたと言える。 2020年11月にはイランのテヘラン郊外で核開発に関わっていたイラン人科学者を暗殺して大きなニュースになったが、それ以前にも、イラン国内から核開発関連の内部文書5万枚や160枚以上のディスクなどを盗んだ作戦が広く喧伝された。さらにイスラム原理主義組織の幹部らの暗殺なども伝わっている。

 スパイ組織のこうした工作の情報が大々的に出てくる理由は、モサドのヨシ・コーヘン長官がPR好きだったからだとの見方があった。野心家のコーヘンは、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の側近として、将来は政界進出も狙っているという。

 そんなコーヘンが5月いっぱいで任期満了となって長官を退任することになった。そして新たな長官として、ダビデ・バルネア(56)が就任する。

副長官として対イラン工作を担当

 バルネアは、イスラエル国防軍出身。軍の特殊部隊で偵察任務に従事していた。その後にアメリカ留学を経て、1996年にモサドに入局した。モサドでは、諜報員として国内外でスパイを運用したり、工作を行う危険な任務についていた。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。