EUが発表した「欧州グリーンディール」は脱炭素をテコにした復権の切り札(欧州委員会公式サイト配信の動画より)

「ESG」という言葉を毎日のように耳にする。そう感じる方は多いだろう。ESGとはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance (企業統治=ガバナンス)の単語の頭文字を組み合わせた造語だ。ESG投資といえば企業業績の成長性だけでなく、環境や社会問題への対応ぶりも加味して株式などの売買判断をする手法を指す。

 毎日のように耳にする、という直感は正しい。日本経済新聞のデータベース、日経テレコンを使って「ESG」という言葉を含む記事の本数を1年ごとに調べてみた。日経新聞本紙朝刊に限ると、2015年は28本だが翌年から48本、112本、190本、278本と急カーブを描いて増加。20年には471本に達した。それでもなお増勢は衰えず、21年は1~5月で258本。1カ月あたり51本として、1年間では600本をゆうに超える。1日に1.6本以上という計算だ。

 この検索は日経本紙の朝刊だけに限ったものだから、夕刊や電子版、日経ヴェリタスなどの専門媒体まで含めれば、その数は何倍にもなる。短期間でこれほど急速に注目を集め勢いが止まらない言葉は、国内外の金融市場の取材を長く取材する筆者でも類似例が思い浮かばない。

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