2019年12月、文在寅大統領(左)は北京を訪れた。それ以来悲願の習近平(右)訪韓は、この状況で実現するのか (C)EPA=時事

 アントニー・ブリンケン米国務長官は米韓首脳会談直後の5月23日、米『ABCテレビ』に出演し、

「北朝鮮にも取り組む考えがあるか様子を見ている。ボールは北朝鮮側にある」

 と述べ、北朝鮮に対話を訴えた。

バイデン政策の「中身」は依然として不明

 長官は、

「(ジョー・)バイデン大統領は完全な非核化という目的を達成するためには、外交的な取り組みが最善の方法だと判断した。慎重に調整されたアプローチが必要だ」

 と述べ、米国の新たな対北朝鮮政策は「外交」、すなわち対話であると訴え、北朝鮮がこの機会を掴むように訴えた。

 しかし、現時点では北朝鮮がすぐにこの提案に応じる可能性は低いだろう。北朝鮮は現在、経済建設に集中しているという内部事情があり、米朝対話ができるような状況にない。

 バイデン政権の新しい北朝鮮政策は「(ドナルド・)トランプ政権とも、(バラク・)オバマ政権とも違う」と説明はされているが、依然としてその「中身」は不明だ。どういうギブ・アンド・テイクのバランスシートが準備されているのか、北朝鮮としては気になるだろう。

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