麦わら帽子がトレードマークのカスティジョ氏©️AFP=時事

 

 6月6日に行われたペルー大統領の決選投票は、6月13日の時点で急進左派「自由ペルー」のペドロ・カスティジョ氏が0.268ポイント(約4.7万票)差の接戦を制し、「人民勢力党」のケイコ・フジモリ氏に勝利した。

 ケイコ氏側が不正(投票所管理者の署名偽造など)を理由に投票所826カ所の集計結果(約20万票)を無効にするよう全国選管に訴え、法廷審議に持ち込んだため、最終的な公式結果の発表には時間を要するが、結果を覆すのは困難。大統領選は事実上決着したと考えられる。

フジモリ元大統領の「ツナミ現象」に酷似

 極みまで昂じた政治不信とコロナ危機による甚大な影響が、アルベルト・フジモリ政権(1990~2000年)以降30年続く自由市場経済からの転換を訴えた急進左派の躍進を決定づけた。

 北部カハマルカ州出身の小学校教師は、麦わら帽子をかぶり、ネクタイを締めない独自のスタイルを貫き選挙戦を戦った。既存の権力からほど遠い「普通のペルー人」を演出し、植民地時代から大きな格差が埋め込まれた社会でグローバル化の恩恵から取り残された地方、貧困層・農民、非正規雇用者など底辺層の支持を集めたのである。

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