「国産ワクチン」大量生産に踏み切るインドの賭け
2021年7月1日
政府は6月26日、最高裁に対し異例の「宣誓書」を提出。年内に18歳以上の全成人、約9億5000万人に対するワクチン接種を終えるとする目標を明らかにした。必要なワクチンは接種済み分も含めて最大で18億8000万回、予備を含めれば20億回を超える見込みで、主に国内生産で調達する方針。
課題は膨大な数量にのぼるワクチンの確保だが、これまでの医薬行政の無為無策もあって直ちに有効なワクチンの増産体制を取れるかどうかは心もとない。
治験中のワクチンも急遽認可
インドは1月16日から一斉にワクチン接種を開始。英アストラゼネカなどが開発し、地場のセーラム・インスティチュート・オブ・インディア(SII)が生産する「コビシールド」と、同バーラト・バイオテック社の「コバクシン」に加え、追加承認したロシア製の「スプートニクV」を接種現場に供給している。
政府は6月上旬、地場メーカー・バイオロジカルEが開発し、まだ治験中で商品名すら決まっていないワクチンを急遽認可。約3億回分を発注した。緊急事態とはいえ、インド政府は大きな賭けに出たといえるだろう。
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