軍幹部の一斉処分人事断行:「コロナ禍」「食糧危機」下の北朝鮮で何が起きているのか
2021年7月12日
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は、故金日成(キム・イルソン)主席の命日にあたる7月8日午前零時に、遺体が安置されている錦繍山太陽宮殿を党幹部らとともに訪問した。党機関紙『労働新聞』は7月8日、この訪問を1面で報じた。
その際に掲載された写真(記事冒頭)から、北朝鮮の軍幹部たちがそろって党の職責を解任されたり、降格されたりしていることが明らかになった。6月29日に開催された朝鮮労働党中央委員会第8期第2回政治局拡大会議で、李炳哲(リ・ビョンチョル)党政治局常務委員や朴正天(パク・ジョンチョン)軍総参謀長、崔相建(チェ・サンゴン)党科学教育担当部長らが批判を受けたとみられ、処分人事はある程度予測されていたが、軍幹部たちがこれほど一斉に処分を受けることは異例だ。
軍トップ「3人組」が次々と降格
金党総書記と同じ列に並んだ幹部は4人だった。床に引かれた線の上には、向かって金正恩党総書記の左に趙甬元(チョ・ヨンウォン)党組織担当書記、金総書記の右には崔龍海(チェ・リョンヘ)最高人民会議常任委員長、その右には金徳訓(キム・ドクフン)首相が立っていた。この4人はいずれも党政治局常務委員のメンバーだ。しかし、政治局常務委員はこれまでは5人で構成され、李炳哲党中央軍事委員会副委員長が第1列にいなかった。
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