軍幹部の一斉処分人事断行:「コロナ禍」「食糧危機」下の北朝鮮で何が起きているのか

執筆者:平井久志 2021年7月12日
エリア: アジア 北米
7月8日に報じられた、金日成主席の遺体が安置されている錦繍山太陽宮殿を、金正恩党総書記をはじめ幹部が訪問したときの写真(『労働新聞』HPより)
かつてのソ連がそうであったように、幹部の集合写真は権力構造の変化を如実に物語る。北朝鮮で7月8日に報じられた写真が、まさにそれだった。人民軍幹部の一斉処分はなぜ行われたのか――かの国の現状を分析する。

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は、故金日成(キム・イルソン)主席の命日にあたる7月8日午前零時に、遺体が安置されている錦繍山太陽宮殿を党幹部らとともに訪問した。党機関紙『労働新聞』は7月8日、この訪問を1面で報じた。

 その際に掲載された写真(記事冒頭)から、北朝鮮の軍幹部たちがそろって党の職責を解任されたり、降格されたりしていることが明らかになった。6月29日に開催された朝鮮労働党中央委員会第8期第2回政治局拡大会議で、李炳哲(リ・ビョンチョル)党政治局常務委員や朴正天(パク・ジョンチョン)軍総参謀長、崔相建(チェ・サンゴン)党科学教育担当部長らが批判を受けたとみられ、処分人事はある程度予測されていたが、軍幹部たちがこれほど一斉に処分を受けることは異例だ。

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執筆者プロフィール
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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