Weekly北朝鮮『労働新聞』
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機械工業担当副総理の楊勝虎を解任、元総理の金徳訓の責任は「既に総括済み」(2026年1月18日~2026年1月24日)

執筆者:礒﨑敦仁 2026年1月26日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
演説中に副総理を罵倒し、その場で解任を宣言した[竜城機械連合企業所での改修工事の竣工式で演説する金正恩国務委員長=2026年1月19日、北朝鮮・咸鏡南道](C)AFP=時事
咸鏡南道での改修工事の竣工式で、金正恩国務委員長は副総理の解任を宣言した。工事をめぐり党の政策に忠実ではなかったと内閣幹部を叱責したが、総理だった金徳訓(現・党経済部長兼経済担当書記)の名前には直接言及しなかった。総理は2024年末に金から朴泰成へ交代している。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】

 1月24日付1面トップには、朝鮮労働党第9回大会の開催準備が進んでいることを具体的に伝える記事が初めて掲載された。基層党組織の総会(代表会)、続いて市、郡の党代表会は既に開催されており、上位機関である道の党代表会に送る代表者の選挙が実施されたという。今後、各道のほか、朝鮮人民軍、内閣などの党組織で代表会が開催された後に党大会が開催されるものと見られる。

 1月20日付は、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が咸鏡(ハムギョン)南道・竜城(リョンソン)機械連合企業所での改修工事の竣工式に出席したことを伝えた。

 注目点は、金正恩が内閣副総理を罵倒したことである。演説冒頭では機械産業分野で進展が見られたと一定程度の評価を下したものの、「どこまでも無責任かつ杜撰で無能な幹部たちのため、人為的な混乱を経ながら少なからぬ困難と経済的損失を余儀なくされました」と不満を述べ始め、党の政策に忠実ではなかったとして、内閣幹部への批判を展開したのである。

 とりわけ当時の内閣総理である金徳訓(キム・ドックン)と、現在の楊勝虎(ヤン・スンホ)機械工業担当副総理に対して、「いい加減」に仕事をしたと批判を集中させた。昨年12月の党中央委員会第13回全員会議において、楊勝虎が「自らの過ちについては簡単に批判することにとどまり……、自分が当然行うべきことを提起しながら不穏当な言動で党中央を愚弄しようとした」ことなどを挙げ、「資質や能力もない、あのような人たちが良心と初歩的な責任意識まで捨てたのですから、いったい何が残っているのでしょうか」「いなくても全く影響のない人たちに何の期待をかけましょうか」と厳しい言葉を投げかけた。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治外交。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、『北朝鮮を読み解く』(時事通信社)、共著・編著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)、『北朝鮮を解剖する』(慶應義塾大学出版会)など。
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