Weekly北朝鮮『労働新聞』
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今後の5年間「軍の役割がさらに高まる」と金正恩が演説(2026年2月8日~2026年2月14日)

執筆者:礒﨑敦仁 2026年2月16日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
演説ではロシアへ派遣された特殊作戦部隊を激励した[軍創建78年にあたり国防省で演説する金正恩国務委員長=2026年2月8日、北朝鮮・平壌
向こう5年間の方針を定める第9回党大会を前に、金正恩は海外軍事作戦戦闘偉勲記念館の建設を現地指導。朝鮮人民軍創建78周年を記念した演説では、今後も「軍隊の特出した役割」が続くことを予告した。韓国の無人機侵入事件に関しては金与正の3度目の談話を朝鮮中央通信が配信し、態度をやや軟化させた。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】

 2月8日付の第1面は、7日の朝鮮労働党中央委員会第8期第27回政治局会議において、第9回党大会の「2月下旬」開催を決定したことについて報じるとともに、各道、直轄市で党代表会が開催されたことに関する記事を掲載した。

 党大会準備委員会の指導の下、市、郡レベルの党代表会に続き、1月28日から2月6日にかけて、道と直轄市の党、およびそれと同等の機能を持つとされる内閣、朝鮮人民軍、社会安全省、鉄道省の党委員会をはじめとする党組織の代表会が開催されたという。それぞれの代表会で組織の指導機関が編成され、党大会に送る代表者の選出、オブザーバーの推薦手続きが行われた。このことにより党大会開催の準備は形式的に整ったと言えるが、さらに2週間近く置いた後の「2月下旬」に開催するとされたことから、想定よりも準備が遅れていると捉えうるが、その背景は定かではない。

 14日付は、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が海外軍事作戦戦闘偉勲記念館の建設事業を現地指導したことについて報じた。金正恩は、海外軍事作戦に参戦した軍人の「無比の英雄性と大衆的英雄主義は必勝の旗幟として歴史に堂々と刻むべき」だと述べ、記念館を「不滅の聖なる殿堂、時代の大記念碑」として立派に建設するよう強調した。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治外交。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、『北朝鮮を読み解く』(時事通信社)、共著・編著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)、『北朝鮮を解剖する』(慶應義塾大学出版会)など。
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