「2028年、憲法改正」も射程に捉えた高市総理に「それでも残る消費税の壁」

執筆者:永田象山 2026年2月13日
今回の選挙で官邸と党本部のパワーバランスは完全に逆転した[自民党の開票センターで自身の名前に花を付ける高市総理、隣は自民党の鈴木幹事長=2026年2月8日、東京・永田町](C)時事
衆院選を経て、総理と維新や自民幹部との力関係は逆転した。党本部での会見で憲法改正に言及したのは、28年参院選まで総理であり続けるとの宣言だ。維新の存在感低下で「議員定数削減」は先送りされる可能性がある。一方で、悲願だという「消費税減税」は歴史的大勝で得たオールマイティーの力があっても実現できるか不透明だ。

 

「自民党が勝ったわけでなく高市さんが勝った」

 自民党の歴史的大勝に終わった衆院選から数日が経った。国会裏手にある衆議院議員の第1・第2議員会館では、今回の選挙で敗れ議席を失った事務所のスタッフが、新たな主人に部屋を明け渡すべく後片付けに勤しんでいた。

 長年付き合いのあった事務所のスタッフは「まだ次の仕事は決まっていない。これから就活だよ」などと元気のない表情で語った。総理経験者が「解散というのは議員だけでなくその家族や秘書、政党の職員など永田町に関わるあらゆる人たちの生活を左右する決断だ。だから(解散を決めたときの)プレッシャーは凄くあった」と語っていたことを思い出す。

 今回の選挙で、中道改革連合をはじめとする野党は「高市旋風」というかつて無いほどの逆風に見舞われ、崩壊の危機に瀕した。

「これまでも安倍政権の時など、厳しい選挙は幾度も経験してきたが、今回はちょっと違ったね。手応えは感じていたのだが投票日の直前で流れが一気に変わってしまった」

 高市旋風の前に敗れたある野党系の大物(中道改革連合の所属ではない)は振り返る。この前議員は地元の根強い支持でこれまで何度も自民党の候補を打ち破ってきた、いわば選挙の手練れであった。

高市「今回の選挙で国民の皆様はわたくしと共に挑戦していく。そういう判断をしてくださいました」(2月9日記者会見)

 選挙の翌日、勝負服の定番となった青のスーツに身を包み自民党本部の講堂に姿を見せた高市早苗総理は、この選挙によって自分は国民の信任を得たと宣言した。その表情は、大勝利に伴う余裕を見せまいとするかのように厳しいものだった。

カテゴリ: 政治
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永田象山(ながたしょうざん) 政治ジャーナリスト
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