「優勢」報道に憂い顔も、高市総理の独断「消費減税」を誰も止められない自民党

執筆者:永田象山 2026年2月5日
タグ: 高市早苗 日本
日本の財政悪化を世界のマーケットが不安視する中、高市総理は消費税減税に突き進むのか[応援演説で熱弁する高市総理=2026年2月3日、埼玉県浦和市](C)EPA=時事
報道各社の調査を見る限り、高市総理が勝敗ラインに掲げた「与党で過半数」は余裕でクリアすると見られる。しかし、自民党の幹部らは浮かない表情だ。高市人気で圧勝すれば、“1人で決めたがる”総理の政治手法に拍車が掛かるかもしれない。党内に慎重論が根強い食料品の消費減税も、高市氏は「私自身の悲願」だと語っている。

自民・維新で改憲発議ラインに届く勢い

 総選挙の投票まで1週間を切った2月2日(月)夜。膝の下まで覆う丈の長いクリーム色のダウンジャケットに身を包んだ内閣総理大臣・高市早苗は、報道陣にニコリと笑顔を見せながら自民党本部4階の役員室を後にした。この日は8日に投開票を迎える衆議院選挙に向けた選対本部会議を開き、重点選挙区をどこにするかなどの詰めの話し合いを行ったのだ。

 週末の朝日新聞の選挙情勢調査は政界に衝撃を呼んだ。

「自維で300議席超うかがう。中道ふるわず半減も」(朝日新聞2月2日)

 先月27日の公示以後、各メディアの報道はそれぞれ“自民優勢”を伝えるものだったが、朝日が書いた「300議席超うかがう」とは、自民党と日本維新の会という「改憲勢力」が衆院における憲法改正発議に必要な310議席(定数の3分の2)に届く勢いということだ。

「まさかそこまではいかないだろう。自民党に強く出過ぎなのではないか」(自民党関係者)

「中道に公明票が入るのか見通しできない」(中道改革連合関係者)

 朝日の情勢調査についての受け止めは様々だが、自民優位の状況が変わらないことだけは確かだ。高市は衆院解散の決意を表明した先月19日の会見で「自民・維新の与党で過半数の233」を勝敗ラインに設定したが、おそらく余裕を持ってクリアすることができるだろう。

「なぜこのタイミングで」「予算案が大幅に遅れる」など、その判断に疑問が寄せられた今回の解散総選挙だったが、足下の権力基盤を固めるため勝負に出た高市が賭けに勝った格好だ。

 選挙に携わる自民党関係者は、好調の大きな要因は高市人気だと断言する。

「“高市総理が来る”と前触れすると、かなり観衆が集まる。これは石破(茂)さんや岸田(文雄)さんの時にはなかったことだ」

「このまま行くと誰もストッパー役になれないかもな」

 しかし、自民党内ではこの優位な情勢について、必ずしも手放しで喜べない雰囲気も広がりつつある。

「このまま行くと誰もストッパー役になれないかもな」(自民党関係者)

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
永田象山(ながたしょうざん) 政治ジャーナリスト
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