習近平総書記が失脚する? なぜ日本人は怪しげな中国政治ゴシップを信じるのか
IN-DEPTH【ニュースの深層】
“秘密の話”で世の中を面白く解釈したくなるのは人の性だが……[2025年12月4日、中国・北京のの人民大会堂で行われた合意文書署名式に出席した習近平氏](C)AFP=時事
「習近平総書記と軍部の権力争いが激化しているそうですね」
「すでに実権を失ったとも聞きました」
「健康問題が深刻で、もう満足に執務できないのだとか」
テレビや雑誌などのメディア関係者と雑談していると、さも常識であるかのように中国の権力闘争や主要人物の健康不安に関する話題が上がるが、どう回答すればいいのか困っている。だいたい適当な笑顔でごまかすのだが。
総書記の健康状態や中国共産党内部の派閥争いは最重要機密だが、それゆえに誰もが気になるトピックである。何が本当で何がウソかわからない政治ゴシップは絶えることなく出回り続けてきた。
とはいえ、数年前まではあくまで中国語の世界だけの広がりでしかなかった。今は違う。怪しげな情報は世界に広がり、各国の言葉に翻訳される。それをメディアが取り上げ、呼び出されたコメンテーターが解説する。まっとうな専門家ならば真偽定かならぬ情報には一定の留保をつけて “バックグラウンド”を説明するが、それがさらに引用される過程では“バックグラウンド”は抜け落ちる。気づけばなにやら真実味のある情報として定着し、ソースロンダリングが完了する。
ネタ元としての「法輪功系メディア」との付き合い方
中国政治ゴシップがどこまで日本に広がっているのか。象徴的だったのが、BS-TBS「報道1930」が2025年7月8日に放映した「「中国で権力の移行が起きている」"独裁"強めた習主席"失脚"あるのか」だ。台湾のシンクタンク、国防安全研究院の沈明室研究員が習近平総書記の健康不安説を唱えたのだが
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