気づいたら、深圳がロボットと低空経済の街になっていた。
中国を代表するイノベーション都市として知られるのが広東省深圳市である。1980年に作られた、新しい街だ。当初は安い労働力を武器に、外国から持ち込まれた原料を組み立てて輸出するという加工貿易の中心地であったが、次第に中国企業がより高度な工程を担うようになっていった。特に、米アップルが委託したフォックスコンや韓国サムスンの携帯電話工場ができたことによって、電子機器産業の一大集積地として発展した。
外資BIG4と棲み分ける中国企業の「協働ロボット」
パソコン、携帯電話、LED製品、ドローン、VRグラス、暗号通貨のマイニングマシーンなど、深圳の「看板」はめまぐるしく移り変わってきたのだが、今はロボットと低空経済が熱い。世界最大の電気街・華強北を歩いていると、この二つが繰り返しアピールされている。スティーブ・ジョブズを模した人形は「本物そっくりのシリコン・フェイスで、インタラクティブな対話が可能なAIロボット」とのこと。体が動くわけではなく、一般的なAIチャットボットと同じものと思われる。ジョブズAIと会話するだけならスマホやタブレットで十分だが、人型ロボットブームにあやかって体を全部作ってみたということだろう。
電気街の通路にはロボットアーム自販機もあった。注文すると、ロボットアームがカフェラテを作ってくれる。コロナ禍前にもロボットアームを使ったカクテルバーなど似たようなものはあったのだが、違いは「大きさ」だ。小さく力が弱い協働ロボットが使われているので、自販機として小型化できている。大きな産業用ロボットは日本のファナックと安川電機、スイスのABB、ドイツのKUKAからなるBIG4がシェアを握っているが、協働ロボットでは中国企業も高いシェアを持つ。
「空飛ぶくるま」の時代をアピール
電気街の入口には「低空ロボット展示センター」なるショールームもあった。
中をのぞくと、「空飛ぶクルマ」と言われるeVTOL(電動垂直離着陸機)が展示されている。
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