世界で最も完全なT・レックス化石の一つ「トリスタン・オットー」[ドイツ・ベルリンのフンボルト博物館特別展](C)REUTERS/Lisi Niesner
[ワシントン発/ロイター]研究チームは、17体の化石標本から脚の骨の微細構造を分析。その結果、ティラノサウルスが成体サイズ(体重8トン程度)に達するまでに、約40年かかったと結論づけた。以前推定された期間より約15年長い。
研究では、偏光を当てなければ見られない成長痕を初めて特定した。
「成長の軌道は、予想よりも緩やかだった。T・レックスは短い間に一気に大人の体格へ成長したのではなく、生涯の大部分を幼体や亜成体の体格のまま過ごしていた」と米オクラホマ州立大学健康科学センターの古組織学者で、論文の筆頭著者であるホリー・ウッドワード氏は述べた。この研究成果は、学術誌『PeerJ』に掲載された。
恐竜の骨には、木の年輪のように、成長線が1年ごとに刻まれる。研究チームは、幼体から巨大な成体まで多種多様な標本の脚で成長線を調査した。
「個体ごとで、成長線の間隔に差があることも分かった。T・レックスの成長パターンは臨機応変的で、あまり成長しない年もあれば、急成長する年もあった」
「その違いは、食物の豊富さや環境条件から来ていた可能性が高い。条件が悪い年では、成長が優先されなかったが、条件が良い年には大きく成長できた。このような柔軟な成長の仕方のおかげで、他の肉食恐竜より巨大化して資源を有利に獲得しつつ、厳しい時期でも生きながらえることができた。最終的に、T・レックスは他のT・レックスとしか食物資源の取り合いをしなかった」(ウッドワード氏)
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン