2026年は、米軍によるベネズエラ侵攻とニコラス・マドゥロ大統領の拘束という衝撃的な事件で幕を開けた。2026年1月3日未明、米軍が実行した「アブソリュート・リゾルブ作戦(Operation Absolute Resolve)」は、マドゥロ政権をわずか数時間で機能不全に陥らせ、大統領夫妻の拘束を迅速に遂行した。中国はこの事件をどのように見ているのだろうか。米軍の作戦は中国の目にどのように映ったのだろうか。
中国との友好関係は体制の安全を保障せず
今回の米国の軍事作戦が衝撃的だったのは、そのタイミングであった。作戦決行のわずか7時間前、中国政府のラテンアメリカ事務特別代表である邱小琪氏が率いる高官代表団がカラカスのミラフローレス宮殿を訪問し、マドゥロ大統領と会談を行っていたのである。
ベネズエラ国営メディアが公開した映像には、マドゥロ氏と邱氏が笑顔で握手を交わし、「いかなる嵐の中でも揺るがない兄弟のような結束」を確認する様子が収められていた。しかし、その直後に米軍特殊部隊による「斬首作戦」が実行された事実は、中国外交にとって耐え難い面子の喪失を意味する。
中国とベネズエラは友好関係を長年にわたって構築しており、2023年には「全天候型戦略的パートナーシップ」へと関係を格上げした。中国外交において「全天候型」のパートナーシップを締結しているのはパキスタンなど6カ国しかないことからも、その重視が分かるだろう。
中国は伝統的に他国の内政への不干渉を掲げてきたものの、近年ではその影響力がグローバルに拡大するなかで、自国にとって望ましい権威主義体制の存続を陰に陽に助けていると考えられてきた。しかし、今回の事件で、中国との友好関係が権威主義体制の存続には役に立たないことが明らかとなったといえるだろう。
インテリジェンスの失敗
またこの事件が明らかにしたのは、ラテンアメリカにおける中国のインテリジェンス能力が高くないということである。
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