メルツ独首相の「大国政治の悲劇を回避する方法」

Foresight World Watcher's 6 Tips

執筆者:フォーサイト編集部 2026年2月15日
タグ: NATO アメリカ
エリア: 北米 ヨーロッパ
ミュンヘン安全保障会議は昨年の[2026年2月13日、ドイツ・ミュンヘン](C)AFP=時事

 各国の首脳、外相・国防相、軍幹部らが国際安全保障や外交問題を議論するミュンヘン安全保障会議が2月15日まで開催されています。昨年はJ・D・バンス米副大統領による激しい欧州批判が話題を集めた同会議ですが、今年の中心的テーマもやはり米欧関係。ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は13日の開会演説で「大国間の競争の時代には、米国でさえ単独では立ち行かなくなるだろう」と発言、アメリカに対して関係修復を呼びかけました。

 一方のアメリカは、今回はバンス副大統領の参加を見送りました。米国代表団を率いるマルコ・ルビオ国務長官は欧州側の声に応じるように、欧州との歴史的・文化的な絆に言及するなど融和的な姿勢で臨んでいます。ただ、ルビオ氏は欧州には秩序の再構築が必要とも強調。気候変動対策や移民政策をはじめとして、政策面での溝はむしろ際立ったと言えそうです。

 今回は、メルツ独首相がミュンヘン安保会議の初日に合わせて米「フォーリン・アフェアーズ(FA)」誌サイトに寄稿したオピニオンなど米欧関係に関する論考のほか、ドナルド・トランプ米大統領が空母打撃群の追加派遣を決めたイラン情勢、従業員の3分の1を解雇するという米ワシントン・ポスト紙に関するエッセイなど6本を取り上げます。ワシントン・ポストについては、朝日新聞2月13日付の「大規模リストラのワシントン・ポスト メディア苦境とベゾス氏の変化」も、米ニュースメディアの四半世紀の流れが一望できる内容でした。

 フォーサイト編集部が熟読したい海外メディア記事、皆様もよろしければご一緒に。

What War With Iran Would Look Like【Arash Reisinezhad, Arsham Reisinezhad/Foreign Policy/2月11日付】

「米国が中東における軍事態勢を劇的に強化している一方、イラン当局は圧力に 屈することはないと主張している。双方は依然として、しばしば同時に、交渉について語り続けている。この明らかに矛盾した状況は混乱の兆候ではない。国際政治においてお馴染みの論理、すなわち戦争、あるいはその脅威が交渉の手段として利用されているのだ」
「戦争の交渉モデルにおいて、軍事力は単に敵を倒すことだけを目的とするのではない。外交だけでは信頼に足る約束を得られない場合、コスト、決意、そして将来の意図に対する認識を変えることが重要なのだ。今日、私たちが目撃しているのは、外交の崩壊ではなく、外交の軍事化である。[略]/[米国とイラクがオマーンで続けている]これらの交渉は、進行中の緊張の高まりと矛盾するものではなく、むしろその一部だ。交渉の論理において、外交と軍事的圧力は、しばしば順番にではなく、並行して進む」

 イラン国内での反体制運動の盛り上がりが一段落した後も緊張関係が続く米・イラン関係について、このように分析するのは、米タフツ大フレッチャー・スクール客員講師のアラシュ・レイシネザードと加リージェント・カレッジ講師のアルシャム・レイシネザードだ。

カテゴリ: 政治
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