世界遺産登録後の保全の取り組みも問われている(ルリカケス=奄美諸島の奄美大島とそれに近接した島のみに生息する日本固有種)  ©︎時事

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会が7月16日から31日まで開催される。日本の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島・沖縄)のほか、欧州の高級温泉地やインダス文明の古代遺跡の登録審査を予定。開催地は中国・福州(福建省)だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、会議はオンライン形式で行われる。主要国による登録競争が過熱する中、ユネスコ内で影響力を拡大しつつある中国政府の議長役としての采配にも注目が集まりそうだ。

世界遺産委の地元開催にこだわった中国

   今回開かれる第44回世界遺産委は元々、昨年6~7月に開催されるはずだった。だが、コロナ禍の煽りを受け直前になって延期が決まり、オンラインで開催する案が浮上した。2020年12月に開かれたユネスコの無形文化遺産に関する会合はオンラインで問題なく実施されており、この形式での会議開催自体に支障はなかったと思われる。

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