世界遺産「バブル化」対策に乗り出すユネスコ

執筆者:田井誠 2021年7月16日
タグ: 日本
エリア: アジア その他
世界遺産登録後の保全の取り組みも問われている(ルリカケス=奄美諸島の奄美大島とそれに近接した島のみに生息する日本固有種)  ©︎時事
ユネスコで中国の影響力が増している。世界遺産の登録件数も55件と、世界最多レベルに到達。日本の「奄美・沖縄」の登録に期待が高まる一方、国際社会では世界遺産の選定を国威発揚の場と捉える動きも強まっている。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会が7月16日から31日まで開催される。日本の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島・沖縄)のほか、欧州の高級温泉地やインダス文明の古代遺跡の登録審査を予定。開催地は中国・福州(福建省)だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、会議はオンライン形式で行われる。主要国による登録競争が過熱する中、ユネスコ内で影響力を拡大しつつある中国政府の議長役としての采配にも注目が集まりそうだ。

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執筆者プロフィール
田井誠(たいまこと) たいまこと、共同通信社記者。1980年生まれ。2003年共同通信社入社、名古屋支社、長崎支局、文部科学省、文化庁、国土交通省などを担当。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産登録事業を担当し、ドイツ・ボンで開かれた第39回世界遺産委員会やエチオピア・アディスアベバでの第11回政府間連絡会議などを現地取材。『進化する日本の食』(PHP新書)、『新しい力:私たちが社会を変える』(新評論)などの一部を執筆。
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