国会議員・地方代表の過半数が要求すれば総裁選へ
石破茂総理「それぞれのご意見を真摯に受けとめ、これからいろいろと参考にし、それを重視してまいりたいと思っています」(8月8日)
8日午後、自民党の衆参両院所属の国会議員らが参加する「両院議員総会」に出席した石破は、終了後、総理官邸で報道陣に対してこう答えた。いささか表情が硬いようにも見受けられた。
両院議員総会は、総理の早期退陣を求める自民党議員らが中心になって開催を求めてきた、党大会に代わる党の意思決定機関だ。
総会自体は石破ら党幹部が挨拶をする冒頭の「頭撮り」と言われる部分を除いて非公開で進められた。終了後にブリーフを行った森山裕自民党幹事長は、出席者は253名で35名が発言したことを明らかにした。
「やはり総裁選前倒しを求める声が多かった」(出席者)
「全体の空気で言えば7割くらいは前倒しを求める意見だった」(出席者)
つまり、石破おろしを目指す議員らが求める総裁選の前倒しの要求に執行部がどう答えるかが最大の焦点だった。“影の総理”とも目される森山はこうした要求にどう答えたのか。
森山「それはルールに基づいてやることになると思う。総裁選前倒しということになるんだろうと思いますが、それは党則に基づいてやる」(総会終了後の会見)
総会では前倒しの可否について総裁選挙管理委員会に委ねることが決められた。自民党の「党則」では党所属国会議員と47都道府県連代表のうち過半数の要求があれば総裁選を行うと規定されている。
選挙管理委員長の逢沢一郎衆院議員は「自民党の歴史の中にこういう経験がない」と困惑気味に答えながらも、8月末にまとまる参院選の総括の結果を踏まえて議論を進めていく考えを示した。果たして総裁選は本当に前倒しできるのか? 両院議員総会の参加者も意見が分かれている。
「9月の末から10月上旬には臨時国会もあるわけだから、それまでには退陣するだろう。青年局の若手が署名活動を進めるだろう」(旧安倍派幹部)
「きょうの総理の言動を見るに辞めるという考えはなさそうだ」(ベテラン議員)
「森山さんと周到に打ち合わせて仕組んだはず」
筆者も複数の出席者に直接取材を試みた。メディアを閉め出した後どういったやりとりがあったのか、また石破はどのような反応を示したのかなどについて、詳細に聞いた。
取材を通じて筆者が直感したのは「近く総裁選は行われる」ということだ。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。