ユネスコ無形文化遺産で「食」の登録が相次ぐ理由

執筆者:田井誠 2023年2月14日
タグ: 国連
エリア: その他
チュニジアの地域社会に根差すハリッサづくり。ハリッサはアラビア語の「つぶす」という言葉に由来するという(c)EPA=時事
激辛調味料、バゲット、平壌冷麺……昨年11月にモロッコで開かれたユネスコの無形文化遺産の会合では例年にも増して「食」に関係する申請が相次いだ。商業利用との結びつきがなし崩し的に深まる状況が浮き彫りに。

 

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)が2022年11月28日~12月3日にかけてモロッコの首都ラバトで第17回政府間委員会を開き、日本の「風流踊」を含む39件を無形文化遺産に登録した。

 今回の会合では、これまで登録候補の主流を占めていた民俗行事や祭礼とは別に、「バゲットの職人技」(フランス)や「チャイ(紅茶)文化」(アゼルバイジャン、トルコ)など、食に関する案件が目立った。無形遺産と商業利用の結びつきがなし崩し的に深まる状況が浮き彫りになった。

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カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
田井誠(たいまこと) たいまこと、共同通信社記者。1980年生まれ。2003年共同通信社入社、名古屋支社、長崎支局、文部科学省、文化庁、国土交通省などを担当。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産登録事業を担当し、ドイツ・ボンで開かれた第39回世界遺産委員会やエチオピア・アディスアベバでの第11回政府間連絡会議などを現地取材。『進化する日本の食』(PHP新書)、『新しい力:私たちが社会を変える』(新評論)などの一部を執筆。
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