キャリア官僚志願者は5年連続減少だという。日本の頭脳集団の再生なるか

財務省・国税庁

 矢野康治新次官(1985年入省)が誕生した財務省では、財務官に神田真人国際局長(87年入省)、国税庁長官に大鹿行宏理財局長(86年入省)を起用した。「次の次官」を睨んだ主計局長に茶谷栄治官房長(86年入省)が就任した。茶谷氏は東大在学中に司法試験と国家公務員一種試験の両方に合格したエリートで、主計畑を歩んだ茶谷氏は本命中の本命だった。財政支出に注目が集まるが、茶谷氏は矢野次官とともに大型の財政出動をした後の財源確保に奔走することになる。

国土交通省・観光庁

 国土交通省では、栗田卓也次官(84年、建設省入省)が退任し、後任に技術系トップの山田邦博技監(84年、建設省入省)が就任した。国交省では旧建設官僚→旧運輸官僚→技監の出身者が一年ごとに事務次官を務める人事が続いており、今回もそれを踏襲したトップ人事になった。山田氏の後任の技監には吉岡幹夫道路局長(86年、建設省入省)を、観光庁長官には和田浩一航空局長(87年、運輸省入省)を起用した。事務次官の待機ポストで事務次官級の「大審議官」とよばれる国土交通審議官には、建設系官僚の石田優総合政策局長(86年、建設省入省)が起用された。

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