イスラエルの外交に逆風が吹き始めている。米トランプ前政権とネタニヤフ前政権の強固な関係を通じて「我が世の春」を謳歌し、中東国際政治に主導権を握っていた感のあるイスラエルだったが、トランプ大統領の再選失敗による強力な庇護者の喪失、2年間で4回の選挙を要したイスラエル国民自身による「ネタニヤフ政治との訣別」を経て、ベネット=ラピド政権が誕生したが、ここに以前から囁かれていたNSO社のスパイ・アプリ(spyware)Pegasusの問題が、国際的な批判を浴びることになった。

"Revealed: leak uncovers global abuse of cyber-surveillance weapon," The Guardian, 18 July 2021.

"Private Israeli spyware used to hack cellphones of journalists, activists worldwide," The Washington Post, July 18, 2021.

NSO社のスパイ・アプリ問題、特にそれが各国でメディアの自由を抑圧するために用いられてきた問題について、ガーディアンやワシントン・ポストをはじめとする有力メディアのコンソーシアム「Forbidden Stories」が、リークされたデータの分析結果を大々的に発表し、批判の論陣を張った。Forbidden Storiesには次のメディアが参加しているという。

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