イランで8月3日ごろ(5日という報道もあるが)にロウハーニー大統領が任期満了で退き、保守派で、最高指導者ハメネイ師の後継者にも擬せられるライースィー師が大統領に就任する。

それに先立って、ロウハーニー政権の成果を、ハメネイ師を交えて検証・評価する、いわば「通信簿」を開示するかのような会合が開かれたようだ。イランの民間通信社タスニーム通信の報道に基づき『アル・モニター』が伝えたところによると、7月28日に、ハメネイ師がロウハーニー大統領とその閣僚と会議を開き、ロウハーニー政権の成果を講評したという。

"Iran's supreme leader says 'cowardly' US cannot be trusted," Al-Monitor, July 28, 2021.

この報道によると、ハメネイ師はロウハーニー政権の成果を分野によって不均等と捉え、ある分野では期待通りだったものの、別の分野では不十分だったと評価した。

ハメネイ師は、ロウハーニー政権の問題は、米国をはじめとする西洋諸国を信じすぎ、期待しすぎたところにあると評価したという。ハメネイ師は、米国がイラン核合意(JCPOA)の再建交渉でイランのミサイル開発の制限や、地域紛争への介入の停止を求めてくることに強く反発すると共に、米国がJCPOAに復帰するのであれば再び一方的に離脱することができないように保証する仕組みが必要とした模様だ。

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