イラン・タリバン「反米」で一致した関係に潜む脆さ
2021年8月26日
宗教都市・コムで「反タリバン」抗議行動
「タリバンに死を!」
アフガニスタンのイスラム主義勢力タリバンが首都カブールを占拠し、権力を掌握した翌日の8月16日、アフガンの西隣に位置し、945キロの国境を接する中東の大国・イランの中部コムで声が上がった。抗議活動の主体は在イランのアフガン出身者で、プラカードを手に怒りと不安を表出させた。
イランでこうした抗議活動が起きる時、「死を!」と名指しする対象は決まって米国やイスラエルといった敵対する国で、外国の組織や勢力の名前が出ることはかなり珍しい。
イラン政府はこれまで、アフガン和平に取り組む姿をアピールし、タリバンと関係が築けていることを窺わせていた。イラン政府は7月7・8日、首都テヘランにアフガン政府側とタリバン側の双方から代表団を招いて会合を取り持ち、「戦争は問題解決にはならない」という共同声明の発表につなげていた。
しかし、今回の抗議行動は、イラン・タリバンの関係が孕む危うさを物語る。
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