イラン・タリバン「反米」で一致した関係に潜む脆さ

執筆者:飯島健太 2021年8月26日
エリア: 中東 北米
イランがかつて支援していた反タリバン勢力「北部同盟」の故マスード司令官(C)時事
米軍が撤退したアフガニスタンで、イスラム主義勢力タリバンが権力を握った背景には、西隣の中東の大国イランと築いた関係があった。イランは一見するとタリバンといまは「仲間」のようだが、元をたどれば敵同士で、この関係にはいつ崩れてもおかしくない脆さが潜む。中国とロシアが新たな秩序づくりを主導しようとするなか、地殻変動は始まったばかりだ――。

 

宗教都市・コムで「反タリバン」抗議行動

 「タリバンに死を!」

 アフガニスタンのイスラム主義勢力タリバンが首都カブールを占拠し、権力を掌握した翌日の8月16日、アフガンの西隣に位置し、945キロの国境を接する中東の大国・イランの中部コムで声が上がった。抗議活動の主体は在イランのアフガン出身者で、プラカードを手に怒りと不安を表出させた。

 イランでこうした抗議活動が起きる時、「死を!」と名指しする対象は決まって米国やイスラエルといった敵対する国で、外国の組織や勢力の名前が出ることはかなり珍しい。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
飯島健太 1984年、埼玉生まれ。朝日新聞テヘラン支局長。2007年に入社後、奈良、高松総局を経て大阪社会部(事件・調査報道)、国際報道部に異動。2018年にロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)国際政治学修士課程を修了し、2020年4月から現職。
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