生成AIを導入しても“思ったほど効果が出ない”貴社は何をすべきか

執筆者:上田雄登 2025年6月18日
タグ: 日本 AI
製薬企業のMRが「医師の意思決定プロセスの見える化」で大きな成果に繋げる事例も (C)Tierney / stock.adobe.com
自然言語処理を得意とする生成AIは顧客と対話する営業部門と親和性が高く、ソフトバンクなど様々な企業で活用が進む。導入成功には現場主導で小さく試し、経営層の旗振りで一気に横展開するボトムアップとトップダウンの連携が不可欠だ。そして、従来のITシステム導入とは異なる「反復的アプローチ」をとる必要もある。

 ChatGPTをはじめとする生成AIの企業への導入が進む中、想定より活用が進まなかったり、「AIエージェント」なるものを導入したものの、思ったように成果が出ないという企業は多いのではないだろうか。実際に多くの企業が試験的な導入を終え、本格的な価値創出が求められる段階に差し掛かっている。特に売上に直結する営業部門では、生成AIの活用が具体的な業績向上につながるかが注目されている。本記事では、営業部門での活用方法から具体的事例までを通じて、営業現場で生成AIを活用するポイントを探っていく。

商談の準備にも、商談中も商談後にも生成AIは役に立つ

 企業の営業部門は、顧客との対話を通じて製品やサービスを提案・販売する、企業活動の中でも特に言語が占める割合が高い部門だ。生成AI(人工知能の一種)は自然言語処理を得意とするため、営業業務との親和性は非常に高い。具体的なユースケースとしては、顧客データの分析や見込み客の獲得、パーソナライズされたコミュニケーション、そして営業戦略の策定など、営業活動のあらゆるフェーズでその効果を発揮する。

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カテゴリ: テック
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執筆者プロフィール
上田雄登(うえだゆうと) 株式会社GenerativeX 取締役CSO。大阪府生まれ。東京大学工学部卒業後、同大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻修了。株式会社YCP Japan、松尾研究所を経て、2023年6月に生成AIを用いたDXソリューションを提供する株式会社GenerativeXを共同創業し取締役CSOに就任。著書に『60分でわかる! 生成AI ビジネス活用最前線』(技術評論社)、『ビジネスに魔法をかける 生成AI導入大全』(KADOKAWA)がある。
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