中国はアフガニスタンに軍事介入するか?

執筆者:山口信治2021年9月1日
アフガニスタン国境を管轄するのは人民解放軍の西部戦区(C)AFP=時事
 

 2021年8月15日、アフガニスタンの首都カブールが陥落し、タリバンが勝利を宣言した。米軍の完全撤退の期限が迫る中で、カブールの治安は急速に悪化し、アフガニスタンを逃れようとする人々がカブール空港に殺到。その中で8月26日、IS-K(イスラム国ホラサン州)による自爆テロが発生し、米軍関係者を含む110名以上が死亡した。

 注目されるのは、米軍撤退後、中国がアフガニスタンにどのように関わるのかという点である。中国は、米軍撤退後の力の空白を埋めるように、アフガニスタンに介入していくのだろうか。しかし中国にとって、カブール陥落は必ずしも良い面ばかりでなく、不安も大きく、喜んで力の空白を埋めに行くという状況にはない。

 それでは、中国のアフガニスタンへの軍事介入があり得るとすればどのような形の介入があり得るのだろうか。恐らく、大規模な兵力を投入するという事態は考えにくいにしても、そこまで至らないレベルの軍事介入・軍事的関与は想定できるはずだ。

 本稿では、どのような介入がありうるかを探ってみたい。

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