アフガン復興支援で踏まえるべきは「緒方イニシアチブ」挫折の検証
2021年9月27日
9月13日、国連が開催したアフガニスタンへの人道援助に関する会議で、各国は10億ドル以上の資金提供を約束した。もともとの厳しい社会経済状況に加え、アフガニスタン政府崩壊に伴う混乱で、国民のほとんどが困窮状態に陥ることが予測されている。厳しい冬の間に、人道的惨状が広がるのではないか、という危機意識を、各国は共有した。
人道援助と開発援助は別のもの
ただし人道援助資金は、WFP(世界食糧計画)などの国連の人道援助機関を通じて執行されるのが基本だ。タリバン政権への支援ではない。人道援助は、タリバン政権の承認や制裁解除問題とは別次元で行われる。
国際的な人道援助というのは、もともと「中立性・不偏不党性」を原則とする。人道援助活動の保障をあらゆる勢力に求め、どの勢力にも偏ることなく活動することになっている。これは、国際援助の常識というべき大原則である。今のところは、タリバン指導者層もそうした国際社会の立場を理解して、国連の人道援助機関の活動を認める立場のようだ。
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