高市氏を支持した「安倍票」が、「反岸田」で動き出す可能性も(小池百合子東京都知事の表敬を受ける岸田氏=10月8日)  ©︎時事

菅前首相との違いをアピール

「国民の皆さんとともに難しい課題に挑戦していくためには、国民の声を真摯に受け止め、かたちにする。信頼と共感を得られる政治が必要だ。そのために、国民の皆さんとの丁寧な対話を大切にしていく」

 首相は10月8日の国会で初の所信表明演説に臨み、総裁選で訴えた「聞く力」を生かし、国民に寄り添う政治を徹底する考えを強調した。記者とのぶっきらぼうなやりとりで支持率を落とした菅義偉前首相との違いをアピールする意味も込めたと言える。

 演説では、政権として看板政策に掲げる経済安全保障のくだりも重点的に説明した。

「新たに設けた担当大臣の下、戦略物資の確保や技術流出の防止に向けた取り組みを進め、自律的な経済構造を実現する。強靱なサプライチェーンを構築し、わが国の経済安全保障を推進するための法案を策定する」

 首相はかねて覇権主義的な動きを強める中国に毅然と向き合う姿勢を強調してきたが、脅威は軍事面だけではない。

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