2021年10月19日、インタビューに答えるインドネシアのジョコ・ウィドド大統領(REUTERS/Willy Kurniawan)

[ジャカルタ/インドネシア]インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は本年9月、2018年に発令していたモラトリアム(一時凍結)を解除した。このモラトリアムは、新規のアブラヤシ・プランテーション事業に対する許可の発行を一時的に凍結していたもので、環境活動家たちは森林保護のためにその延長を訴えていた。

 複数の高官が今後の新規事業の許可申請は却下されるだろうと述べているが、これは法的に明示されてはいないと専門家が警告しており、環境活動家たちは森林伐採の増加を懸念している。

 インドネシアは、世界で第3位の熱帯林保有国であり、世界第1位のパーム油生産国である[編集部注:パーム油はアブラヤシの果実から得られる]。

 この国では毎年のように災害級の森林火災が発生する。多くがプランテーションのための開墾が原因だが、モラトリアムが原生林消失に歯止めをかける一助となっていたことは環境保護団体が指摘している。

モラトリアムについてジョコウィが語っていたこと

 ジョコウィの愛称で知られる大統領は、2020年に「雇用創出」オムニバス法が議会で可決された後にはモラトリアムは恒久的なものになったと考えていた、と語っている。オムニバス法とは、東南アジア最大の経済国であるインドネシアの事業許可の交付手続きに新たな方式を導入する法である。

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