[オウロ・プレット・ド・オエステ/ブラジル]ガートルード・フレイレ一家は土地と雨を求めて、半世紀前にその大きな森にやってきた。両方とも見つけたものの、アマゾン川南西部の荒れた森を手懐けるのは容易なことではなかった。1971年、一家がオウロ・プレット・ド・オエステの入植地にたどりついたとき、そこはジャングルを走る一本の道を囲むゴムの樹液採取基地でしかなかった。
乾季のアマゾン特有の暑さのなか、79歳のガートルードは当時の厳しい暮らしと、そのなかでも失わなかった希望について話してくれた。森の材料で家を作った。電気はなく、食べ物はやっと探し当てた木の実だけという日もあった。家のそばには小川があった。川幅は、当時、5歳から12歳だった子供たちがぎりぎり飛び越せるくらい。その小川は、今では1メートルの幅もなく、一歩で軽くまたぐことができる。こうした小川が姿を消しつつあること、そしてそれを含む広範な水問題は、科学者たちを不吉な予感に駆り立てている。

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