11月10日にヤンゴンで行われたデモ(C)AFP=時事

 

急増する武力衝突

 クーデター後に混乱が広がったミャンマーだが、現在、国軍の実効支配が広がっている。都市部では、かつて起きた大規模なデモは想像することも難しい状況だ。フラッシュモブ型と呼ばれる短時間かつ少人数のデモが起こるくらいである。

 農村部での反対運動も軍の弾圧と脅しの前に小康状態。公務員の不服従運動も、多くの参加者は職務に復帰したか、退職したか、逮捕されたか、指名手配中で、一時の勢いはない。

 そうしたなかで増えているものがある。武力衝突の数だ。

 現地のシンクタンクである戦略政策研究所(Institute for Strategy and Policy – Myanmar)によると、報道やSNS等で確認できる武装抵抗勢力と国軍との衝突数は、軍による弾圧が本格化した3月に172回、その後、5月に231回、7月に214回、8月に195回で、9月には344回に急増している。

 国軍に抵抗する平和的な大衆運動が抑え込まれる一方で、急進的な武装闘争に参加した若者たちは、結束と行動力をむしろ強めて、国軍に攻撃を仕掛けているのだ。

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