コロナ対応に当たった官僚の事務次官就任は2代連続

   今年の省庁のトップ人事で殿(しんがり)となる厚生労働省の事務次官人事が10月1日に発令された。樽見英樹厚労事務次官(61歳/1983年厚生省入省)が退任し、新次官には事務次官級ポストである内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室長から吉田学氏(59/84年厚生省入省)が就任した。退任した樽見氏は昨年9月の人事で吉田氏と同じポストから事務次官に就いており、コロナ禍の対応にあたった官僚の2代続けての次官就任となった。

   同省は新型コロナウイルスへの対応に加え、高齢者へのワクチン接種などを急ピッチで進めていたことなどから、省の業務が多忙を極め、昨年9月に行った幹部人事同様、秋に実施されることになった。吉田氏の後任の新型コロナウイルス感染症対策推進室長には東大医学部を卒業した医系技官迫井正深同推進室次長(59/92年厚生省入省)が昇格した。

   吉田氏は京都大法学部出身で、旧厚生省入省後は大臣官房広報室長や保険局保険課長、野田佳彦首相時代の首相秘書官、内閣官房社会保障改革担当室審議官、厚労省大臣官房審議官、子ども家庭局長、医政局長などを務め、旧厚生官僚では常にトップを歩いてきた。民主党政権で誕生した厚労省出身の首相秘書官は、安倍晋三首相が継続して採用しなかったため、省内では数少ない首相秘書官経験者だった。官邸から戻って以降は、旧厚生省の84年入省組では最速となる局長ポストに就任していた。

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