中国が岸田政権に求める「現実的な対応」
2021年12月9日

華春瑩報道局長が送るメッセージとは(C)時事
天に唾する話だが、日本の中国分析は概して当たらない。昨今、書店に犇めく「中国崩壊」の予言書の話ではない。学者が真剣に分析した長期トレンドも高い確率で外れる。もちろん対日政策も例外ではない。
原因は明確だ。短いキーワードの「公式」風に単純化された認識ばかりが共有されるからだ。
岸田文雄政権の発足に伴い二階俊博自民党幹事長が失脚すると、「日中関係は悪化する」との観測が広がった。これなどは典型的だ。同じく2020年のアメリカ大統領選挙では「民主党が勝てば中国が喜ぶ」との説も広がった。いずれも、現状はどうだろうか。
外交が一人の政治家によって牛耳られるケースは稀だ。そう見えたにしても、その裏には外交に対する国の需要が必ずあり、ニーズに敏感なのが政治家である。もし中国が日本を必要とすれば、二階などいなくても距離を詰めてくる。パイプがなければつくるだけだ。
余談だが中国が圧倒的に信頼を寄せているのは二階氏ではない。福田康夫元首相だ。ただ、だからといって福田氏を通じ中国が自国有利の状況を簡単に作り出せるはずもない。もう、そんな時代ではないのだ。
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