中国が岸田政権に求める「現実的な対応」

執筆者:富坂聰 2021年12月9日
エリア: アジア
華春瑩報道局長が送るメッセージとは(C)時事
米国が台湾問題への関与の姿勢を強める中、中国は日本がどこまで歩調を合わせるのか注視している。今のところ「現実的な対応」を求めて秋波を送るが、世論には反日の不穏な兆候も――。

 

 天に唾する話だが、日本の中国分析は概して当たらない。昨今、書店に犇めく「中国崩壊」の予言書の話ではない。学者が真剣に分析した長期トレンドも高い確率で外れる。もちろん対日政策も例外ではない。

 原因は明確だ。短いキーワードの「公式」風に単純化された認識ばかりが共有されるからだ。

 岸田文雄政権の発足に伴い二階俊博自民党幹事長が失脚すると、「日中関係は悪化する」との観測が広がった。これなどは典型的だ。同じく2020年のアメリカ大統領選挙では「民主党が勝てば中国が喜ぶ」との説も広がった。いずれも、現状はどうだろうか。

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
富坂聰(とみさかさとし) 拓殖大学教授。1964年、愛知県生れ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てフリージャーナリストとなる。抜群の取材力、豊富な人脈を活かした中国のインサイドレポートには定評がある。1994(平成6)年、『龍の伝人たち』で21世紀国際ノンフィクション大賞(現・小学館ノンフィクション大賞)優秀賞を受賞。「文藝春秋」など様々な雑誌への執筆に加え、テレビのコメンテーターとしても活躍中。『中国という大難』、『ルポ 中国「欲望大国」』、『中国報道の「裏」を読め!』、『間違いだらけの対中国戦略』、『習近平と中国の終焉』、『チャイニーズ・パズル』など著書多数。
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