ロシアは中国の従属国家になる恐れを抱く ⓒAFP=時事

 米国、中国、ロシアをめぐる動きも慌ただしい。11月16日にバイデン・習近平、12月7日にバイデン・プーチン、15日には習近平・プーチンが、それぞれオンライン会談を行っている。

 ウクライナ情勢は、ロシアに対する欧米の姿勢を硬化させ、台湾問題をはじめとして厳しさを増す米中関係は、中国と先進民主主義諸国との関係をも緊張させている。こういう構図になると、中国とロシアは当然、近づく。外交とはそういうものであり、中国とロシアは欧米諸国との関係において、お互いに「外交カード」として利用し合っているということになる。

 ところが「外交カード」を現場で使ってきた者からすると、それはかなり心理的なものである。恐らく米中ロ三国首脳は、そうすることにより外交上、得点を稼いでいるという判断であろうが、実際は、国と国との関係は複雑であり、多方面にわたる。外交的な一つの動きが、自国の総体的な国益にプラスとマイナスの両面を持っており、計算は、そう簡単ではない。中国とロシアの関係も複雑であり、報道で目にする個々の外交的な動きが、複雑な国際関係の中で、実際にどのような役割を果たし、どの程度の効果を発揮しているのか、しっかりと検証していく必要がある。

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