2022年フィリピン総選挙―「ポスト・ドゥテルテ」の経済・対中政策
2022年1月10日
2022年5月、フィリピンで6年に一度の総選挙が実施される。大統領、副大統領、上院の半数にあたる12議席、下院の全議席に加え、知事、市長やそれぞれの地方議会の議員までが選ばれる。2021年10月には候補の届け出が締め切られ、11月には政党候補の差替えの期限を迎えた。
前回2016年の大統領選挙では、直前まで出馬しないと公言していたダバオ市長(当時)のロドリゴ・ドゥテルテが前言を撤回、候補の差替えという奇策を使って出馬を決めたこともあり、今回も11月までは誰が最終的な候補者になるかをめぐって報道合戦が続いた。
結果として、大統領候補として、ボンボン・マルコス元上院議員、レニ・ロブレド副大統領、マニラ市のイスコ・モレノ・ドゥマゴソ市長、マニー・パッキャオ上院議員らが出揃った。
後継候補の絞り込みに手間取ったドゥテルテ
まず興味深いのは、直前まで後継候補の絞り込みに手間取ったドゥテルテ大統領および彼の与党PDP-Labanクシ派の候補が見当たらないことである。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。