ロシア国防相が公開したツィルコン発射実験の様子(C)afp photo / russian defense ministry

 

12回目の軍事技術革命

 古来、テクノロジーは戦場の様相を大きく変えてきた。

 製鉄技術、火薬、コンピューター、原子力…と、その例を挙げていけばキリがない。

 新しい技術が登場するたびに、それまで確固たるものと思われていた軍事的優位はときにあっさりと覆され、国家間のパワーバランスにも影響を及ぼす。

 米国防総省の長期戦略策定を担ってきたアンドリュー・クレピネヴィッチは、こうした技術革新による戦闘の刷新を「軍事技術革命(MTR)」と名づけ、14世紀から20世紀までの西洋世界では少なくとも11回の「革命」が生じたと述べている。クレピネヴィッチによると、このうち最後の「革命」は20世紀末に始まったものであり、精密誘導兵器(PGM)と情報通信技術(ICT)の登場がその大きな原動力とされていた。

 このようにしてみると、人工知能(AI)やロボット技術(ロボティクス)によって大変動を遂げつつある21世紀は、12回目のMTRを迎えつつあるということになるのかもしれない。

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