世界の最先端兵器「新たな革命」のキーワード~AI・ドローン・極超音速兵器~

執筆者:小泉悠 2022年1月6日
ロシア国防相が公開したツィルコン発射実験の様子(C)afp photo / russian defense ministry
テクノロジーは兵器開発にさまざまな「革命」を起こしてきた。AIやロボット技術は戦闘行為をどのように変えるのか。「自動化」「無人化」「ネットワーク化」「極超音速」をキーワードに2020年代の先端兵器を紹介する。

 

12回目の軍事技術革命

 古来、テクノロジーは戦場の様相を大きく変えてきた。

 製鉄技術、火薬、コンピューター、原子力…と、その例を挙げていけばキリがない。

 新しい技術が登場するたびに、それまで確固たるものと思われていた軍事的優位はときにあっさりと覆され、国家間のパワーバランスにも影響を及ぼす。

 米国防総省の長期戦略策定を担ってきたアンドリュー・クレピネヴィッチは、こうした技術革新による戦闘の刷新を「軍事技術革命(MTR)」と名づけ、14世紀から20世紀までの西洋世界では少なくとも11回の「革命」が生じたと述べている。クレピネヴィッチによると、このうち最後の「革命」は20世紀末に始まったものであり、精密誘導兵器(PGM)と情報通信技術(ICT)の登場がその大きな原動力とされていた。

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カテゴリ: 軍事・防衛 政治
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執筆者プロフィール
小泉悠(こいずみゆう) 東京大学先端科学技術研究センター准教授 1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
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